お宝百景! 400年の伝統を持つ「うぐい突き」と浜村温泉魔の78階段 鳥取観光
どんもっす。
10月4日(日)に鳥取市気高町で行われた「うぐい突き」に参加してきました。
場所はこちら👇
うぐい突き? 何それ?
って方が大半だと思いますので、説明します。
まず、うぐいとは、下図のような魚を取るための道具です。
この道具を、川や池の中にずぼっと突っ込みます。
そうすると、運が良ければ籠の内部に魚が閉じ込められるので、素手で魚を捕まえることができるというわけです。
これを「うぐい突き」と言います。
この「うぐい突き」、実は430年の伝統があり気高町逢坂地区にある、ため池「大堤池」で毎年行われています。
秋には池の底にたまったゴミや泥を取り除くとともに、放流した魚を捕獲するため、水抜きが行われています。
このとき行う魚とりが「うぐい突き」なんですね。
この伝統行事、ルーツはタイにあるそうでタイの国の方も知っているとか。
老若男女が一斉に高さ約70cmの竹籠を振り下ろして魚を追い囲むさまは、まさにお宝百景!!
こんな感じで、皆さん楽しみながらもどこか真剣に魚を追いやってます。
ここで、うぐい突きのコツを紹介。
うぐい突きのコツ 3ヶ条
1.上から振り下ろして豪快に突くべし
2.「ドンドンの法則」をしっかり守るべし
3.伝統とお魚たちに感謝をして突くべし
「ドンドンの法則」とは、うぐいの中に魚が入るとドンドンと当たった感触があるので、その感触があれば即座に魚を捕まえろ、ということらしいです。
早速私も挑戦…。
なるほど、こんな要領でついていけばいいのね。
簡単、簡単!
「生態系がひっくり返るくらい、捕まえちゃるぜ」
と意気込んで出発!!
…30分経過。
魚の影すら見えず。
泥の池だからね。
水が濁っているからね。
仕方ないね。
…1時間経過。
魚の「さ」の字も見えず…。
本当に魚いるのか? マジ?
って思っていると、あちこちで
「獲ったどーーー!!」
の声が。
ふむふむ。
なるほど。
確かに魚はいるらしい。
であれば、俺が捕まえるのも時間の問題だろう。
…さらに1時間経過。
いや、全然捕まえらんねぇ…
ていうか、魚の影すら見当たらねえ。
この時点で2時間経過していたので、「俺、何やってんだろ」感が半端じゃなかったです。
そうこうするうちにも、あちこちで「獲ったどー!!」の声が…
これ、不思議なことに獲る人は一人で何匹でも捕まえます。
町内会長と呼ばれていた謎のオッサン(以下、ナッサンと呼ぶ)は一人で5~6匹捕まえてました。
やり方まねたり、捕まえた人がいる場所に行って、2匹目のドジョウ狙い作戦を敢行したり…
いや、やっぱり全然捕まえらんねぇ…。
しかも、うぐいが結構重いし、水や泥の抵抗があるしで、相当疲れる。
鳥大生の若くて可愛らしいお嬢さんも参加していましたが、どうやら捕まえられない様子。
もう、ムキになってやってましたね、ハイ。
そして、3時間経過…。
お? 魚影が…
お、お? 背びれ? これいける?
どっせい、とついてみると…
籠が「どんどん」
おおー、これかー!!
ついにキタ――(゚∀゚)――!!
私「獲ったどーーーーーー!」
いやー、ついにやりました!!
うぐい突きで魚捕獲。
しかも、結構な大物。
嬉しさのあまり、素手でつかんで天高く持ち上げて、「獲ったどー」って何度も叫びながら、魚を入れておく桶のある本部を目指しました。
MCのおっさん曰く、「あー、彼はあれがやりたかったんでしょうねー」
と笑いながら私の胸中を説明してくれました。
そう、何より、魚を天高く掲げて「獲ったどー!」がやりたかったんです、はい。
まあでも、私が捕まえたときはもうほとんど終盤で、池の水が抜かれて捕まえやすいようになっていました(笑)。
↑こんな感じで。ほとんど水がなく、魚が丸見えです。
ちなみに、最初の状態がこちら。
この状態では、私は魚のさの字も見つけられませんでした。
これでうぐい突きは終了。
そのあとは会場の出店で地元の味を堪能させていただきました。
これはイノシシの肉を使った唐揚げ。
イノシシが結構とれるんですかね?
本当に臭みがなく、美味しくいただきました。
これは会下の水ときぬむすびという米を使ったおにぎり。
モチーフはトリなんだろうけど、何のトリだろ?
っとまぁ、こんな感じで「うぐい突き」堪能してきました。
ドロドロになりますが、結構面白いイベントだったので来年も参加したいですね。
おまけ:浜村温泉館での出来事 魔の78階段
うぐい突きの会場で、温泉割引券をいただいたので、帰りがけに入っていくことにしました。
このとき、私はまだ浜村温泉の恐ろしさを知る由もありませんでした…。
割引の効く、浜村温泉館に到着。
早速フロントに行って温泉に入りたい旨を伝えると、フロントの綺麗なお姉さんが
「展望台のある温泉と普通の温泉どちらにします?」
とにこやかに聞いてきました。
そりゃー、当然展望台のある温泉でしょ、と首をかしげていたら、
お姉さん「展望台のある温泉は、階段を歩いて行かないといけません。その階段の数、なんと78段!!」(ばーん!)
私「なん……だと………!!!」
私がビビったのを、お姉さんは見逃さず、ニヤリと笑って
お姉さん「さあ、どうします?」
ここで、78段という数字にビビって引いてちゃー男が廃る。
私「もちろん、展望台のある温泉です!」(ばばーん!)
と宣言し、お姉さんからロッカーのカギをいただきました。
お姉さん「頑張ってくださいねー」
お姉さんの声援を背中に受けながら、いざ出陣!
早速、階段の入り口までやってきました。
ほんとーに、78段と書いてやがる。
マジか…
そして、さりげなく案内板に乗っている「カニーラ」という謎の生物。
今から始まる地獄を暗示しているかのよう。
「ゴクリ…」と生唾を飲み込んで、階段のほうを向いてみる。
「おほほーーー!!!」
この永遠に続くかと思われる、階段地獄を前にして思わず叫び声を上げてしまいました。
想像をはるかに超えて、ゴール地点は遠かった。
仕方ないので、えっちらおっちら登っていきました。
…もうどのくらい登っただろうか…
下界ではどのくらい時間がたっただろうか…
そんなことを思いながら、登っていくと何やら案内板が…
ついにゴールか!
しかし、次の瞬間、私の目には信じられない光景が!!
私「……な、なにぃ!」
し、信じられん。
まだ半分? ゴールに到着する前にあの世に着いちまうぞ。
中間とは一番厄介なポイント。
引き返すにも進むにも同じだけ労力を使ってしまう。
しかし、ここまで来たら進まないわけにはいくまい。
勇気を振り絞って、前進への歩を進めることに…
いや、ぜってぇ、なげぇぞ!
オラ、こんななげぇの初めてだぞ!
さながら、神様の家を目指す悟空のようなセリフを頭に思い浮かべながら、ひたすら登り続ける…
もう、どのくらい登っただろうか…
…無限とも思われる時間の中、歩を進めていくと…
キタ――(゚∀゚)――!!
「獲ったどー!!」
いやいや、違う違う。
これはさっきの記憶だ。
嬉しさと疲労のあまり、記憶がごっちゃになってますね。
ゴール!
ついに、ついにゴール!!
「ナシータ」という、やっぱり謎の生物がお出迎え!
ふと、後ろを振り返ってみると…
おおう…!
まるで奈落の底に通じているかのような、階段地獄。
そう、帰る時もここを通らないといけません。
どうしよう…
とりあえず、温泉につかってゆっくり考えるか!
ということで、温泉を堪能してきましたとさ。
めでたしめでたし。
※実際は78段なので、2分足らずで登れます。
でも、なぜかフロントのお姉さんはノリノリでびびらせてくるので、乗っかって、雰囲気楽しみましょう。
んでは、今日はこの辺で。